新興国ブームで過熱したベトナム不動産市場は2011年にバブルが崩壊。市場が一気に冷え込んだ過去がある。
だが、その影響はいまや完全に払拭 された観がある。中間層・富裕層の約半 数が集中しているハノイとホーチミン の2大都市ではここ数年、高水準のマン ション供給が続いている。 とくに2020年に同国初の地下鉄 1号線の開通を控えているホーチミン 市の市場回復ぶりが目を引く。
英国系 不動産仲介大手CBREのレポートに よると、同市の2015年新築分譲マ ンション供給戸数は、前年の実に2.2 倍にあたる約4万1800戸を記録。 平均販売価格は4.4%、高級マンショ ンにいたっては ~ %上昇している。 2016年も供給戸数は8%増大す るとの見通し。こうした情勢を受け、ベ トナム事情に詳しいある日系不動産デ ベロッパー幹部は、「国が法制度や金融 機関による融資体制を整備しようと乗 り出しています。
ようやく、まともな投 資対象としてみることができるように なったといえます」と、ベトナム不動産 の魅力を語っている。 もっとも、海外投資にリスクはつきも の。現在は中央銀行による為替安定化 策 の 結 果 、通貨は安定しているとはいえ、為替変動リスクはある。外貨持ち出 しな ど 各 種 規 制 も 残る。
前出デベロッ パー幹部も、「法律運用でも日本とは異 なる事情もある。安易な投資は火傷を 負いかねない」と指摘する。 そこで次ページから、ベトナム不動産 投資を成功させる方法について専門家 に聞いてみた。